2023年8月24日、午後1時~開始された福島第一原発処理水の海洋放出。
これにより中国国内では中国産の “塩” の買い占めが起こっていると言います。
福島第一原発の処理水の海洋放出にあたり、さまざまな意見があるのでまとめてみました。
ぜひ最後までお付き合い下さい!
中国で塩の買い占めはデマ?
福島原発処理水放出は本当に安全なのか?
中国で塩の買い占めはデマ?

中国国内では、日本政府の決定の基に行われた福島第一原発の処理水の海洋放出を巡って、塩の買い占めが起きています。
『海水が汚染され、塩の入手が難しくなるのではないか?』と言った懸念が広がったとみられているようです。
しかし、中国当局は『買いだめは不要』として、事態の鎮静化を図っています。
買い占めの現状
中国国内では各地で買い占め騒動が起こり、「北京市、上海市、福建省福州市」で確認され、「山東省威海市」では4tの食塩が1時間で売り切れと言います。
国有企業「中国塩業集団」によると、中国国内の食塩の精製は「海水からは10%」「岩塩など残りは90%」としています。
日本の核汚染の影響を受けていないと呼びかけ、中国国内の食塩の備蓄量は安定しているので、買い占めを控えるように国民に対して求めています。
ちなみに買い占めが起きているのは中国国内の精製塩で、日本産の食塩は不買の対象のようです。
中国国内では日本で原発事故があった2011年にも、食塩の買い占めが起こっています。
福島原発処理水放出は本当に安全なのか?

中国の意見
中国側としては『汚染された処理水を海洋放出する事で、海が汚染される』と言う事が反発の理由でしょう。
汚染水の海洋放出がなぜ、良くないと言われるのか次に汚染水に含まれる放射性物質についてみて行きます。
汚染水に含まれる「トリチウム」とは
私たちはテレビのニュースだけ見ていても『原発の処理水が海洋放出されて、中国が反発している』しか分かりません。
そこで良く聞くのが「トリチウム」
トリチウムとは原子力発電によって発生する放射線物質の一つで、私たち人間の体に害を及ぼすのではないかと言われています。
トリチウムは水素と同じように水として存在する為、汚染水から分離するのが難しく海洋放出に至ったと言う訳です。
放射性物質とは、放射線を出す物質の事です。
放射線とは、「アルファ線、ベータ線、中性子線、ガンマ線、X線」の事を指していて、それぞれに特性があります。
これらの放射線には細胞内にある遺伝子(DNA)を切断する力があります。
切断された遺伝子が修復されないと、細胞が “ガン化” するなどの危険性がある事が言われています。
遺伝子(DNA)は四つの塩基が連なった2本鎖の構造をしており、1本だけ切断であればDNAの修復が可能だが、2本とも切断されると修復ができなくなり、細胞のガン化などの危険性が高まる
【M&A Onlineより】
汚染水により、私たちが食する魚などの遺伝子に、どの様に影響がでるか懸念していると言う事でしょう。
このトリチウム、原子力によって発生するほか「水道水、雨、海水」にも含まれているそうです。
宇宙から降り注ぐ放射線によって、大気と反応して発生するみたいですね。
中国国内で消されたSNS
NHKの記事によると、中国国内では「処理水放出は科学的にみて安全」の内容を投稿したSNSのアカウントの削除も起きているようです。
『中国国内の原子力発電所で、中国当局が定めるトリチウムを放出する上限は福島第一原発の約8倍であり、心配するに値しない』などと説明し、処理水の海洋放出は問題ないと結論。
【引用:NHKより】
中国国内のSNSの規定に違反した事がアカウント削除の理由で、中国国内の世論に対して慎重になっているのでしょう。
日本政府の考え
「東京電力ホールディングス」は、廃炉作業の妨げになっている汚染処理水を貯蔵するタンクを減らすために、海洋放出を開始しました。
原発敷地内には「1,000基」を超えるタンクがあり、放出しなければ2024年2月以降に満杯になる見通しです。
廃炉作業に必要な新たな施設の建設のために、現在ある汚染水の貯蔵タンクを減らさなければならない事が理由です。

国内外の理解が一定程度、得られた。
日本政府としては、IAEA(国際原子力機関)の『国際的な安全基準に合致している』との包括報告書の公表、国内外の理解が進んだとして、8月22日に「関係閣僚会議」で海洋放出を決定しています。
政府が言う「一定の」「国内外」には「中国政府」は入っていない事になるでしょうか。
賛否両論
原発の海洋放出についての問題は賛否両論であり、何が正しい答えなのか情報が多すぎで私たちは一体、どの情報を信じれば良いのか、迷走した状態ではないでしょうか。
ここでは有識者の意見をまとめてみました。
武田邦彦(工学者)
1966年3月に東京大学教養学部を卒業後、4月に旭化成工業に入社後「ウラン濃縮等の研究」に携わり、工学博士の学位を取得した武田邦彦さんは言います。
▼処理水が入ったタンク


どれくらい人体に影響があるか分かっていないから、原発事故当初の段階で放出しないと判断していた。
なのに今になって海洋放出する事の理論が成り立たないと言う事です。



危険だからタンクに入れたんですよ。危険じゃなければ最初から海へ放出します!タンクが一杯になったから安全になったなんて無い!
山本太郎(れいわ新選組)
国政政党で「れいわ新選組」の山本太郎さんは、政府が「処理水」と呼ぶ事に否定的で「汚染水」であることを指摘しています。
タンクに保管した量は2023年4月時点で、13億3千万リットルで、これに加えて毎日13万リットルもの「汚染水」が生まれると指摘した上で、海洋放出については反対の立場です。
汚染水を処理したので「処理水」と呼ぶ政府に対して憤りを隠せない様子です。
210種類の放射性物質が含まれる可能性が想定される。その中の目立った物をALPSで処理、減らす。ALPS処理で減らせる核種は「セシウム」「ストロンチウム」を含む62種類。その濃度を減らし、基準値未満にするが放射性物質そのものが消えてなくなる、浄化されるものでは無い。
【引用:れいわ新選組公式YouTubeより】



全て処理水を海に流したとして、セシウムや、ストロンチウムは総量でいくらになるかと事前に聞いたら『計算して無い』と言います。
1リットル当たりと誤魔化しながら、海に流す総量の想定もしていない。
海外からも指摘されているとし、「太平洋諸国の首脳会議」PIF(太平洋諸島フォーラム)の専門家会議パネルは放射線や海洋環境の専門家で構成され、東京電力、日本政府との会談内容、東京電力が提供した貯蔵タンク内の放射性核種データに基づき測定法・評価法の根本的な問題点を指摘していると続けます。
タンク内放射性物質の情報が不十分、9種類の核種データしか、共有されなかった。
測定方法が統計上、不十分で偏りがあり、信頼できるものでは無い。
海洋性体型でストロンチウムなどが桁違いに再濃縮されることを考慮していない。
東電はタンク全体の4分の1から微量の水をサンプル測定しているだけ。
サンプルによって、セシウムやストロンチウムの濃度が大きく異なり、これら放射性物質を均等に除去できていない疑いがある。
どのくらいの放射性物質が含まれているか分からないので、薄める為の水の量、放出に必要な年数も分からない。
堀江貴文(実業家)
『どんな毒性を持った物質も、十分に薄めてしまえば…』と続け、今回の処理水の海洋放出に問題は無いと言います。
『トリチウムは低レベルな放射線廃棄物として、それを処理した水に微量のトリチウムが、それ以外の汚染物質についてはできる限り除去して、それを海洋放出する。十分に薄めた状態で、環境にほぼ影響がないような状態で放出する』
【引用:堀江貴文ホリエモンYoutubeより】



経済産業省が出してるホームページくらい読め!感情的にあなた達が煽っている事が国益を害している。東北の人達を苦しめてる。
世間の反応
ネットでも処理された水、「処理水」なので問題は無い、「汚染水」なので辞めるべきなどの意見が散見しています。
事実として、「海洋放出によって、実害を証明する事が出来ない」事が、もどかしい所ではないでしょうか。
最後に
いかがでしょうか。
今回は日本の処理水(ここでは処理水と呼びます)の海洋放出によって、中国の塩の買い占めが起きている事を取り上げてみました。
①.中国国内では塩の備蓄量は安定しているので、問題は無い。
②.海洋放出された処理水が安全かどうかは、分からない。
以上の事が分かりましたが、なぜ最近は中国と亀裂が入るような出来事が多いのでしょうか。
台湾と中国の問題(台湾有事)に日本が引っ張りこまれる…
なんて事にならなければ良いと考えてしまうのは、考えすぎでしょうか…。
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